ショック

とある場所から
とある場所から

院長のくみこです。

 

先日、15年以上知っているおばあちゃんが「嫁の実家の人間が着物を持って行って返してくれない」と言うのを直接聞いてしまいました。

 

認知症の症状の一つにいわゆる物取られ妄想というものがあります。実際には物を盗られていないのにも関わらず身近にいる人間を泥棒扱いしてしまうことがあります。

しかも普段一緒に生活している人やその関係者を犯人扱いするケースが多いと言われています。

 

本人は本当に盗られたと思っているのでしょう、真顔で訴えるんですね。

そういう場合、否定も肯定もしてはいけないと聞いていましたが、びっくりして「そんなことないんじゃない?」と聞き返したところ真剣に本当に盗られたんだと言い返されました。

 

しっかりしていたおばあちゃんがそんな風に言うのに直面し、ショックを受けました。他の日常生活はほとんど変わらないのに・・。

 

しかしそれ以上に犯人扱いされた人はとても傷つくと思いました。

認知症による症状だと分かっていても嫌な感情を抱くと思います。

犯人扱いされなかった家族は「年だからしょうがない」と言うだけかもしれません。

 

家族の間で起こる様々な出来事が平和に解決されることって少ないですよね。

家族の誰かが我慢したり対応しているとどうしようもなくこじれることもあったりします。家族の一人ひとりが理解と危機感を持って対処することができれば理想ですが、なかなかそうもいかないのが現実なんですよね・・・。